新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルス感染症の感染症法における位置づけが、5月8日から5類感染症に変更されました。これによって何が変わり、私たちはどう対応していけばよいでしょうか。
当社の考え方と今後の方針について説明します。

これまでは、判明した陽性者をすべて登録することで、いわゆる「全数把握」を目指していました。今後は全国約5000か所の決められた医療機関でのみ感染者数をカウントし、そこから流行状況を推測する、という流れになるとのことです。

また、日常的な感染対策や感染者・濃厚接触者の行動制限など、行政からの要請がなくなり、検査キットの配布や健康観察といった自治体によるサービスもなくなりました。予防や療養が完全に個人の判断にゆだねられることになったといえます。一部のサービスを継続している自治体もあるので、自分の住む自治体の対応を調べておくとよいでしょう。

私たちは、医療・介護施設に出入りする業者です。ハイリスクの方々の中で働くわけですから、当然、勤務中の感染対策は今後も継続します。これは新型コロナウイルスだけでなく、そのほかの様々な感染を起こさないためにも必要です。
今後も継続する感染対策について、改めて簡単におさらいしておきます。

ワクチンについては、今後もできるだけ接種してください。接種しないよりもしている方が、感染した場合の症状も軽く済み、他者に感染させるリスクも下がるからです。特に医療・介護施設のスタッフのみなさまは、特別な理由がない限り、空気感染する麻疹（はしか）などと同様に必要だと考えてください。

現在、各自治体で行われている「令和5年春開始接種」は、高齢者や基礎疾患があるなど、いわゆるハイリスク者が対象です。詳細は自治体により異なりますが、たとえば東京都の場合、接種できる期間は5/8～8/31です。
一般の人の追加接種については「令和5年秋開始接種」になるようですが、詳細はまだ公表されていません。東京都のWebサイトによると、接種開始は9月以降で、対象者は初回接種（1・2回目）を完了した5歳以上とのことです。

まず、「体調が悪いときは休む」が基本です。これは今までどおりです。
感染者の隔離推奨期間は、従来の7日から5日に短縮されました。抗原検査キットで陽性となったり医療機関で陽性と診断されたら、発症した日（無症状の場合は検査した日）をゼロ日として、5日目までは外出を控えてください。

ただし以前からお伝えしているように、症状がある場合には10日目までは他人に感染させるリスクがあります。少なくとも10日目までは、不織布マスクの着用や手洗いはもちろんのこと、同居者以外との飲食や人混みを避けましょう。

なお医療・介護施設では、隔離期間が長い場合があります。現場のスタッフのみなさまは、勤務先の規則に従っていただくこととなります。

また罹患後症状といって、熱や咳などの症状が治まったあとも、倦怠感や思考力低下といったさまざまな症状に悩まされることがあります。隔離期間が終わっても職場復帰が難しい場合には、無理をせず、必ず上司や本社に相談してください。罹患後症状は、数か月から場合によっては半年以上続くこともあるとのことです。傷病手当金など、活用できる公的支援や制度についても相談が必要になるかもしれません。

思考力や集中力の低下、抑うつなどは、自分で気づけないこともあると思います。
職場復帰したスタッフが大丈夫かどうか、上司や同僚のみなさんも気をつけるようにしましょう。

厚生労働省のWebサイトによると、家族など同居者が感染した場合、感染した人の発症日をゼロ日として、7日目までは発症するリスクがあるとのことです。可能な方は7日目までは在宅ワークとし、出勤する場合は、不織布マスクの着用、手洗いといった基本的な感染対策のほか、個食・黙食をお願いします。

医療・介護施設のスタッフの方は、原則として勤務先の規則に従ってください。可能であればこれまでどおり、5日間の出勤停止（2日目と3日目に抗原検査キットで陰性なら3日目に隔離解除）をお願いします。

弱毒化したという情報は、公的機関からは発表されていません。たとえば新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料（2022年12月21日）を確認すると、重症化率や致死率は、季節性インフルエンザよりもまだまだ高いように見えます。また、今後どのような変異があらわれるのかもわかりません。ですので当面は、ある程度のルールを残しておきたいと思います。

みなさんのご協力や頑張りのお陰で、当社もなんとかコロナ禍を乗り越えてくることができました。今後どうなっていくのかはわかりませんが、これまでに培ってきた知識や経験、団結力で、どのような波も乗り越えることができると確信しています。これからもみんなで力を合わせて、堅実で誠実な仕事をしていきましょう。